2025.07.09 | 労務管理

労働時間管理の端数切り捨ては違法?残業代未払いを防ぐ正しい勤怠管理とは

労働時間の端数切り捨ては原則禁止

日々の労働時間の端数を切り捨てることは、原則として認められていません。
労働時間は1分単位で集計する必要があり、勤怠を集計するのが面倒だからといって、15分未満の労働時間を一律に切り捨てて賃金を支払わないケースは、実はよく見受けられます。

これについて厚生労働省は改めて、一定時間に満たない労働時間を一律に切り捨てて、その分の賃金を支払わないことは、労働基準法違反になると注意喚起しています。

労働時間の扱いが違法になる具体例

特に以下のような取扱いは、法律違反となるので注意が必要です。

1.勤怠システムの端数切り捨て
勤怠管理システムの端数処理機能を利用し、1日の時間外労働のうち15分未満を一律に切り捨てて残業代を支払わない。

2.残業申請を一定時間以上でしか認めない
例えば残業申請を30分単位でしか認めず、30分未満の残業時間を切り捨てて、残業代を支払わない。

3.始業前の作業を労働時間に含めない
毎朝、タイムカード打刻前に制服への着替え、清掃、朝礼などを義務付けながら、その作業時間を労働時間として扱わず、切り捨てている。

例外として認められる処理

ただし、1か月における時間外労働・休日労働・深夜業の合計時間に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げることは事務処理簡便の観点から認められています(常に労働者が不利益にならない場合に限る)。

また、1日の労働時間についても一定時間未満を切り上げた上で、その分の賃金を支払うのであれば問題ありません。

労働時間が正しく管理できているか確認しましょう

自社の勤怠管理や賃金の支払い方法が、労働基準法に違反していないかどうか、一度しっかり確認してみてはいかがでしょうか。
万が一、未払いが発覚した場合には追加の支払い義務が生じるだけでなく、労働基準監督署の指導対象になる恐れもあります。

トラブルを未然に防ぐためにも、正しい労働時間管理を徹底しましょう。

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