2025.03.10 | 働き方改革

長時間労働のリスクと対策|企業が取るべき具体策とは

2019年(中小企業は2023年4月~)から本格化した「働き方改革」により、残業の上限規制が強化され、多くの企業で課題となっています。

時間外労働に関する「36(サブロク)協定」の特別条項を適用しても「月45時間を超えられるのは年6回まで」と決まっており、さらに、臨時的な事情がある場合に限られます。

残業時間の上限・長時間労働の割増賃金は?

2020年4月以降、中小企業も含め「時間外労働の上限規制」が適用され、残業時間は以下のように制限されています。

・月45時間・年360時間まで(原則)
・特別の事情がある場合でも年720時間以内
・複数月平均80時間以内、単月100時間未満
・月60時間を超える残業の割増賃金率は50%に引き上げ

長時間労働の上限規制に違反するとどうなる?

労働基準法では「1日8時間・週40時間」を超える残業は禁止されていますが、「36協定」を締結することで例外的に認められます。しかし、違反した場合には以下のようなリスクがあります。

・罰則の適用(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
・労働基準監督署による是正勧告・指導
・従業員や顧客の信頼低下
・従業員の健康リスク・損害賠償請求の可能性
・法令違反の公表による採用難

長時間労働削減のため企業が取るべき対策

上記のようなリスクを負わないために、企業は事前に長時間労働が起きやすい環境や仕組みを改善する必要があります。具体的に取るべき対策を4つご紹介します。

1. 「残業を推奨しない」仕組み作り

会社が「残業を推奨しない」姿勢を示すことで、社員の意識も変化します。ただし、トップダウンでの発信だけでは浸透しにくいため、管理職が「定時退社」を実践し、手本を示すことが重要です。
また、評価制度の見直しも検討すべきポイント。残業が評価される風土を改め、「効率よく業務を遂行する社員が評価される」仕組みを整えることが求められます。

2. 労働時間・休日制度の見直し

・所定労働時間の短縮(例:1日7時間勤務にする)
・変形労働時間制の導入(繁忙期と閑散期で勤務時間を調整するというもの)
・年間休日数の増加(週休3日制の導入など)
・残業なし勤務の選択肢を用意し、給与体系を調整

3. 業務の外部委託(アウトソーシング)

長時間労働を削減するため、業務の一部を外部に委託する方法も有効だと考えられます。例えば、以下のような業務の外注が考えられます。

・経理業務・給与計算
・人事・労務管理
・IT・システム開発
・デザイン・翻訳・データ入力

クラウドワーカーの活用により、必要な業務を外注し、社内業務を効率化することも可能です。

4. 「柔軟な働き方」の選択肢を増やす

従業員自身の働き方の選択肢を広げてあげることも、長時間労働を防ぐことにつながると考えられます。
例えば、フレックスタイム制を取り入れ、従業員自身が始業・終業時間を自由に設定できるようにすることで、無駄な残業を防ぐことに繋がります。
可能な限りテレワーク・リモートワークを許可することも、通勤時間の削減ができるため就業時間の短縮につながりますし、育児・介護との両立の支援にもなります。特に、フレックスタイム制やテレワークの活用は、従業員のワークライフバランス向上にもつながりますので、より働きやすい会社として従業員の定着率向上に寄与することも考えられます。

まとめ

長時間労働の問題は、労働環境の見直しや意識改革によって改善できます。企業は、残業削減に向けた意識改革・制度の見直し・業務の外注・柔軟な働き方の導入を進めることが求められますが、これは同意に、従業員の健康やエンゲージメント向上につながる重要な要素とも言えるでしょう。

よく見られている記事

投稿はまだありません。
記事一覧へ戻る

無料で相談する

人事・労務について
お気軽にご相談ください