2024.01.04 | 労務手続き

限定正社員とは? 種類とメリットを徹底解説

「限定正社員」とは・・・

限定正社員とは、勤務時間や勤務する場所、業務内容を限定して働く正社員のことを指します。雇用期間の定めはなく、「ジョブ型正社員」「多様な正社員」とも呼ばれます。

正社員との違い

正社員の場合、勤務地や職種の変更、残業時間に関して就業先の要請を受け入れる義務が生じますが、限定正社員の場合はその必要がありません。
「労働環境の変化がなく安定して働ける」という点が、正社員との大きな違いといえます。仕事内容や勤務時間、勤務地などの領域を限定し、異動や転勤がない状態で勤務する正社員のことを指しますので、ワークライフバランスを安定させた働き方や自分のスキルを活かした働き方が可能です。

▼限定社員の例
・転勤が発生しない営業職
・勤務店舗が限定された販売スタッフ
・短時間勤務の職員
・専門性が高い職種のスペシャリスト
 限定正社員は、勤務地・職種・労働時間いずれかの限定するものによって分かれる正社員制度です。

限定社員の種類

1.勤務地限定正社員
勤務地限定正社員は、転勤の可能性がなく、勤務する場所を限定するものです。地域の限定は就業先によって規定があり、「1事業所に勤務地を限定して、事業所変更を伴う異動がない」という事業所固定型、「採用時に住んでいる場所から通勤可能な範囲での異動あり」のような勤務範囲限定型、「都道府県を超える事業所間異動はあるが、転居は伴わない」というエリア指定型などが挙げられます。地元で働きたいと考える従業員には最適で、保険業や医療、福祉、小売業の業界で多く採用されているようです。

2.職務限定正社員
 職務限定正社員は、就業先の特性に合わせて行う業務内容を限定するものです。専門的な知識や資格が必要な場合、他職務と明確に区別できる職務に採用されています。医療・福祉業界や教育・学習支援業界など、もともと職務や資格で業務を分けやすい業界に多い傾向があるようです。

3.勤務時間限定正社員
 勤務時間限定正社員は、勤務する時間や時間帯が限定されている社員です。勤務時間限定正社員には、時短勤務のように1日の所定労働時間を6時間に定める「勤務時間を限定型」、シフト制で遅番だけに勤務する「勤務時間帯限定型」、時間外労働に規制のある「残業免除等正社員」などがあります。

限定正社員のメリット

1.安定した働き方ができる
 限定正社員は無期雇用が原則のため、安定した働き方が叶うでしょう。契約社員や派遣社員は雇用期間が契約で定められており、契約更新にならないこともあります。
 また、非正規雇用と比較すると給与や福利厚生が充実している点もメリットです。職務限定正社員であれば、業務の専門性を高めることが可能。仕事内容が決まっていることで、仕事上の負担も少ないでしょう。

2.家庭と両立しやすい
 限定正社員は転勤や残業がなく、ワークライフバランスを重視して働きたい方向けの働き方と言えるでしょう。通常の正社員よりも、心身の疲労を感じにくいのがメリットです。子育てや介護、資格取得試験のための勉強などで労働に制限がある方には、家庭の時間を大事にしながら仕事ができますが、給与面など正社員に比べて条件が劣るデメリットはあります。

よく見られている記事

投稿はまだありません。
記事一覧へ戻る

無料で相談する

人事・労務について
お気軽にご相談ください